「同じものを見なくてもいい」…自閉症の息子と歩む写真家が「家族3人展」で伝える豊かさ

エネルギー Sep 20, 2026 IDOPRESS

写真家・千葉桜洋(ちばざくらよう)さん(60)=東京都杉並区=の目の前で、長男の洸(こう)さん(26)が突然立ち止まる。その背中や視線の先に、洋さんはカメラを向ける。散歩、作業所への送迎、旅先で…。洋さんは聴覚障害があり、洸さんは自閉症だ。妻の紀春(きはる)さん(60)は家族の姿を絵に描く。そんな3人の作品を展示する展覧会が中野区で今月27日まで開かれている。(谷岡聖史)

◆「待ち時間にふと撮った写真が、案外いい」

洋さんにとって写真は「表現である以上に、言語そのもの」だという。生後11カ月の時に流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)で聴覚の大部分を失い、家中に張った写真や絵のカードを見て、徐々に言語を獲得した。それ以前は「目の前で見えているもの自体が生の言葉でした」。

聴覚障害がある写真家の千葉桜洋さん=16日、東京都中野区のギャラリー冬青で(谷岡聖史撮影)

写真を始めたのは高校時代。職場の手話サークルで紀春さんと出会って結婚し、重度の知的障害がある洸さんが生まれた。「日常生活が大変になり、普通に過ごせることの大切さに気づいた」

12年前、洸さんが中学生になって時間の余裕が少し生まれ、洋さんはプロの写真家が主催するワークショップに通い始めた。そこで「いつも洸ちゃんと一緒に歩いているなら、そのまま撮ればいい」とアドバイスされた。

洸さんとの日常を制作のテーマに据えた。すると、気持ちが変化した。「まず、息子を待てるようになりました」。洸さんの足踏みは...

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