東京都内の再開発事業でも、工期の遅れや事業費増が相次いでいる。中には「ゼネコンがつかまらない」という事態も。建設コストの高騰により、今や再開発が敬遠されつつある。(中沢誠、皆川剛)
「複数のゼネコンに声をかけたが、引き受けてくれるところが見つからない」
今年2月、西日暮里駅前(荒川区)の再開発を手がける再開発組合が開いた説明会で、事務局が地権者らにそう明かした。この事業は2025年1月末の認可から1年で、早くも軌道修正を迫られた。

施工会社が決まらない西日暮里駅前の再開発のエリア(手前)。後方はJR西日暮里駅、左は日暮里・舎人ライナー=6月、東京都荒川区で(松崎浩一撮影)
計画では駅周辺の2.3ヘクタールに、タワーマンションとなる地上46階建て、高さ170メートルの高層棟と、低層の商業棟を建てる。総事業費1300億円を超える大型プロジェクトだ。
組合は東京新聞の取材に「施工会社各社において、技能者や現場管理者の確保が厳しく、大規模案件を1社単独で引き受ける余力が限られている」と説明。「事業の実現性を高めるため」として、住宅棟と商業棟を構造上分離し、別々に施工できるように検討しているという。
設計の変更に伴い、再開発ビルの完成は2年7カ月遅れ、2033年10月ごろを予定している。
計画地内のマンションの一室を所有する橋本洋一さん(75)は「いつまで私たちは振り回されるのか」と憤る。
当初は廃校の跡地利用だった計画は、同マンションが2000年に完成して間もなく、地区全体の再開発へと広がった。
マンションの耐震性は十分で、周囲も区画整理済み。建て替えなければならないほどの防災上の課題は見当たらない。納得できない橋本さんは抵抗したが、「街のにぎわいのため」と主張する賛成派に押し切られた。

西日暮里駅周辺で計画中の再開発エリアを見つめる橋本さん=6月、東京都荒川区で(松崎浩一撮影)
西日暮里駅前の再開発は、周辺で一番高い橋本さんのマンションを巻き込んだことで、1000戸規模の巨大なタワマン建設が可能になった。それが今になって事業推進の足かせになっていることに、橋本さんはやりきれない。「新築間もないマンションの住民の思いに耳を傾けず、強引に大型開発を進めたツケだ」
2月の説明会から4カ月余り。いまだ施工...
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