ヘイトスピーチ、異文化との摩擦を乗り越えて 各地地方議員らが語り合った、外国人と共に暮らす社会の作り方

ai Jun 7, 2026 IDOPRESS

外国人住民との共生を考えようと、地方議員を対象としたオンライン研修会が開かれた。埼玉県南部に暮らすクルド人の男性や、東京都内で在住外国人との交流に努める議員らが発言。生活のルールや文化が異なることによる摩擦に加え、ヘイトスピーチも問題となっている。共生社会の実現に向けて、地域でできる有効な方策を語り合った。(安藤恭子)

研修会は、東京の出版社「自治体研究社」が5月に開き、各地の地方議員ら約60人が参加した。

◆ワッカスさん「自分の国になくて、知らないことがとても多い」

「国を持たない私たちのアイデンティティーは、宗教よりもクルド人であること。日本では清掃や震災のボランティアをし、クルド人のお祭りを開催し、行政や警察とも関係をつくってきた。それで目立ってヘイトの標的になった、という意識もあります」

埼玉県のクルド人団体「日本クルド文化協会」のチョーラク・ワッカス代表が、クルドの文化を日本でも大切にしたい、との願いから立ち上げたという団体の歩みを振り返った。

地方議員向けのオンライン研修会で日本の外国人政策について解説する芝田英昭さん(右)=東京都内で

ワッカスさんによると、母国での迫害を受け、クルド人は1990年代の初頭から来日するようになった。欧米では多くのトルコ出身のクルド人が難民認定されているが、日本には1人だけ。難民と認められない中で、2023年ごろからヘイトスピーチに遭うようになった、と嘆いた。

外国人の立場から、ごみ出しのルールをはじめ、住民税や年金といった日本の制度について「自分の住んでいた国にはなくて、知らないというものがとても多い」と指摘。わかりやすくイラストや多言語で伝える行政のツールが必要と訴えた。

◆外国人住民が地域に望むことは「対話」

東京都新宿区の沢田あゆみ区議(共産)は、区の外国人住民は5万人近くと人口の14%を占め、地域ボランティアらが長年、子どもたちの学習支援に取り組んできたと紹介。区の2023年度実態調査によると、外国人住民が望むことは、

①あいさつなど親しく声をかけてほしい


②偏見や差別をなくしてほしい


③地域のイベントなどに誘ってほしい

の順。「ワッカスさんの言うように対話が大切」とうなずいた。

新宿駅周辺の街並み(資料写真)

区が本年度、国民健康保険(国保)に新規加入する外国人らを対象に、保険料1年分の一括前納を求める制度を導入したことについて「差別をあおっている。収納率が低いというが、国によって仕組みが分からない人がいることも明らか」と批判した。区内の日本語学校関係者や留学生とも懇談し、課題を見つける努力をしていると話した。

◆「煮て食おうと」人権を無視した政策が今も

芝田英昭・城西大非常勤講師(人権論)は、低...

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