〈データで見る東京変貌〉
東京は、これまでも開発を繰り返してきました。
今のような超高層ビルによる再開発は、副都心と位置づけられた新宿や池袋が先駆けでした。
1978年、池袋に誕生したサンシャイン60は当時、アジアで最も高いビルでした。新宿でも1970年代以降、浄水場跡地を再開発し、超高層ビルが次々と建設されました。
21世紀に入ると東京の街は開発が進み、一気に高層化します。
代表的な再開発は、2003年にオープンした六本木ヒルズです。今や六本木のランドマークとして定着しています。
開発が進んだ背景には、小泉純一郎政権下での規制緩和があります。
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過去の主な東京再開発エリアデータ詳細
開業年エリア名説明
1970年代〜新宿副都心明治時代に造られた淀橋浄水場の跡地に、1970年代から開発が始まりました。1991年には都庁が丸の内から移転。今では超高層ビルが林立する街となっています。
1978年池袋サンシャインシティ終戦後、戦犯を収容した「巣鴨プリズン」の跡地を再開発し、1978年に完成しました。地上60階(高さ239.7メートル)の「サンシャイン60」は当時、アジアで最も高いビルでした。
1980年代〜大崎駅周辺かつて駅周辺は工業地帯で、工場や倉庫が広がっていました。1980年代に副都心の一つに位置づけられると、一気に開発が進み、高層ビルが林立する近代的なオフィス街へと変貌を遂げました。
1980年代後半〜大川端リバーシティ21タワマン再開発のはしり。IHI(旧石川島播磨重工業)東京工場跡地で1980年代後半から建設が始まり、高さ100メートルを超える超高層マンションが立ち並ぶ街となりました。
1994年恵比寿ガーデンプレイスサッポロビールの工場跡地を再開発し、1994年にオープンしました。オフィスや商業施設、集合住宅、美術館などが入る複合施設となっています。
2002年丸の内(丸ビル)東京・丸の内のランドマークとして、2002年に完成しました。正式名称は「丸の内ビルディング」。1923年完成の初代を建て替えた2代目で、地上37階(高さ180メートル)の超高層ビルに生まれ変わりました。
2003年六本木ヒルズ木造などが密集するエリアを再開発し、2003年に開業しました。地上54階(高さ238メートル)のオフィスビル「森タワー」を中心とした複合施設。ここでオフィスや住居を構えた若手経営者らは「ヒルズ族」と呼ばれました。
2014年虎ノ門ヒルズ2014年の「虎ノ門ヒルズ森タワー」開業を皮切りに、超高層ビルが4棟立っています。森タワーは地上52階建てで、道路整備と一体で再開発し、ビルの下を幹線道路が貫いています。
2023年麻布台ヒルズ開業は2023年。中心となる超高層ビル「森JPタワー」は高さ330メートルで、「あべのハルカス」(大阪)を抜き日本一高い超高層ビルです。最上階のマンションは「分譲価格200億円」とも言われるほど超高額物件です。
2024年晴海フラッグ東京五輪・パラリンピックの選手村を活用した巨大マンション群。周辺相場に比べて割安だったため、転売目的で投資家らの申し込みが殺到しました。2024年から順次、入居が始まっており、最大で1万2000人が住む街となります。
2026年3月高輪ゲートウェイシティJR山手線の高輪ゲートウェイ駅直結の複合拠点施設で、2026年3月に全面開業しました。線路沿いの南北に細長い敷地に5棟のビルが立ちます。元はJRの車両基地で、日本で鉄道が初めて通った明治時代に線路敷設のため浅瀬を埋め立てた「高輪築堤」が築かれました。
Leaflet |
出典: 国土地理院 | 制作: 東京新聞
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東京の再開発エリア
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政府は容積率を緩和し、より高い建物が建てられるようにするなど優遇措置を設けて民間の開発を促しました。その結果、都心部や湾岸エリアで超高層ビルが増えていきました。
2013年に招致が決まった東京五輪を機に、さらに再開発の動きが加速することになります。虎ノ門ヒルズもその一環です。五輪選手村は再整備され、晴海フラッグという巨大マンション群となりました。
再開発は、街の安全性や利便性を高めて、不動産の資産価値を上げるプラスの効果をもたらします。
一方で、近年は「負の側面」も取り沙汰されるようになってきました。
急速な都心開発によって、東京の一極集中は加速。交通や学校といったインフラ整備が追いつかない事態も起きています。
岩見良太郎・埼玉大名誉教授(都市工学)は「地域によっては、行きすぎた規制緩和によって都市計画で定めた規律がゆがめられ、バランスを欠いた開発になっている」と指摘します。
再開発によって、それまで暮らしていた住民や商店が地域から押し出され、代わりに高所得の人たちが移り住んでくる「ジェントリフィケーション」という現象も起きています。
開発が進む中で、23区内の所得格差も拡大しています。
総務省の市町村税課税に関する統計調査から各区の1人あたりの平均所得を算出すると、2014年度では港区と足立区で3.8倍の開きでしたが、24年度には4.5倍にまで広がっています。



