〈ウォッチ・バスケBリーグ〉
夏の有明アリーナで、主将から一喝された。期待があった。約1カ月半後、Bリーグプレミア(Bプレミア)東京サンロッカーズ(東京SR)の狩野富成(とよしげ)は約2キロ離れたトヨタアリーナ東京で、持ち味を発揮し応えた。
東京SRは10月17日、ホームに昨季王者の長崎ヴェルカを迎え、95-63で圧勝した。狩野は今季初得点を含む、トップカテゴリーでの自己最多10得点と6リバウンドをマーク。

東京SR─長崎第4クオーター、シュートを放つ東京SRの狩野(奥)=10月17日、トヨタアリーナ東京で(渡辺陽太郎撮影)
今季最長の約15分間出場し、最も印象に残った選手「MIP賞」に輝いた。出場時間に恵まれない中でも「チャンスはいずれ来る」とがむしゃらにボールを追った日々が報われた。
第1クオーター(Q)で投入された際の役割は普段通り。ジョシュ・ホーキンソンら主力ビッグマンがベンチで休む間、つなぎ役として試合を壊さない。
Bリーグの日本人選手最長身210センチでゴール下を死守。22メートル(コートの4分の3)走でビッグマン最速の3.01秒(2025年12月1日時点)の敏しょう性を生かして、攻撃が始まれば相手陣に素早く走った。
第2Q半ばでブライソン・ウィリアムズが三つ目のファウルを犯した。8日間で5試合をこなし、ホーキンソンも疲労が蓄積していた。ウィリアムズに代わり投入された狩野には、普段以上の働きが期待された。
応えてみせた。味方のシュートが外れると攻撃リバウンドを獲得。相手に囲まれながら、フェイクを入れて今季初得点を決めた。

東京SR─長崎第2クオーター、ハーパー(右)との連係プレーで壁になって相手を妨害する東京SRの狩野(中)=10月17日、トヨタアリーナ東京で(渡辺陽太郎撮影)
さらに攻撃リバウンドを獲得し、200センチ超の相手2人に囲まれても、シュートをねじ込んだ。
これで2桁点差。以降、東京SRのリードは広がるばかりだった。
第4Q残り1分10秒、狩野はこの日最大の輝きを放つ。ベンドラメ礼生(れお)主将がドリブルで相手をひきつけ、リング手前に山なりのパスを放った。
空中でキャッチした狩野は、そのままリングにたたき込んだ。「(日本)代表で1回やって以来。やっとできた」と笑った。
日本人選手として規格外の高さと身体能力を兼ね備える狩野だが、厳しい道を歩いてきた。...
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