東京都北区の区立滝野川第三小学校の火災で、児童と教諭計26人が取り残された4階音楽室にあった救助袋が、避難訓練で一度も使われていないことが区教委への取材で分かった。火災時は正常に作動する状態だったが、教諭は使えず、児童を窓からひさしに逃して救助を待つ方法を選んだ。専門家は「使用できなかった理由を検証して、再発防止につなげるべきだ」と訴える。(米田怜央、今坂直暉)
救助袋は音楽室の校庭側の窓近くの箱に収納されていた。斜めに垂らして滑り降りるタイプで、地上で袋の先端をフックで固定する人員が必要になる。

救助袋を使った避難の実演をする様子=製造業者提供
警視庁滝野川署は火災後の実況見分で、救助袋が収納箱から教室内に広げられているのを確認。救助袋に破損などはなく、正常に使える状態だったという。
火災時に音楽室に駆けつけた男性教諭は収納箱から取り出して使おうとしたが断念し、児童を室外のひさし(幅約80センチ)に窓から逃がす判断をした。男性教諭は署に「黒煙が充満していて、救助袋の使用を試みたが使えなかった」と説明しているという。
救助袋は施設の規模に応じて、消防法で設置が義務付けられている。区教委によると、同校では最上階の音楽室と3階の教室の2カ所に置き、年1回の定期点検で異常は確認されなかった。同校では給食室などを想定した避難訓練を月1回していたが、救助袋を使うことはなかったという。総務省消防庁によると、避難訓練の具体的な方法や頻度は各校に委ねられている。
学校の危機管理に詳しい大阪...
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