永代供養をうたっている東京都港区の巨大納骨堂。強制競売の開始決定が出たのは、かねて東京新聞が報じてきたところだ。納骨堂がある寺は都心の一等地にあり、天候にも左右されず、いつでも気軽に参拝できる人気の形態だが、経営する宗教法人の資金繰りはなぜ悪化したのか。関係者に取材した。(井上真典)
「納骨堂をやったら銭になる。僕が絵を描いたんですよ」。東京新聞の取材に対して、そう語ったのは、寺の元副住職の男性(69)。差し押さえが入っている納骨堂の建設計画に携わった。

強制競売手続きの開始決定を受けている納骨堂のビル。屋上には墓石も設置されている(一部画像処理)=東京都港区で、本社ヘリ「あさづる」から
寺は800年代に近畿地方で創建され、1800年代末ごろ、現在地の港区に移転。由緒正しき古刹(こさつ)として地元で知られる存在だ。
平屋建ての寺は、2014年に地下1階、地上5階のビルに改築。本堂は、ビル内に移し、境内の檀家(だんか)の墓地の墓石は屋上に設置した。運営を始めた12年後の今年5月、債権者の申し立てを受け、競売開始決定を受けた。約1200基分の遺骨を預かっている。
男性が僧侶になったのは納骨堂が建つ約15年前。このころ、寺の住職に跡継ぎがいなかった。男性は住職の長女と結婚し、1年の修行を経て僧籍を取得した。
男性によると、当時の檀家は約70軒。「小さい寺だったから、住職一人食わすのが精いっぱい。食えなかった」と振り返る。そこで土地の売却を検討した。「大手不動産会社が土地の半分でマンションを造りませんかと、いろいろ来た。でも、僕を調べたらアウト」と断られたという。男性には副住職になる前、...
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