「使用人数」「設置場所」…専門家に聞いたら意外だった「救助袋」の正しい使い方

ビッグデータ Sep 11, 2026 IDOPRESS

東京都北区の区立小学校で6月に発生した火災で、改めて救助袋に注目が集まった。ただ、読者からは東京新聞に「救助袋は下に人がいないと設置できない。全員が避難するにも時間がかかりすぎる」と指摘する声も届いた。学校防災の中でどう位置付けるべきなのか。(今川綾音)

◆まず階段、避難はしごや救助袋は「最終手段」

「避難方法としては、あくまでも最終手段だということを理解してほしい」。救助袋メーカー大手の「ORIRO(オリロー)」(東京都文京区)営業本部長の家崎典久さんは、そう強調する。

火災のあった帰宅の小学校に設置されていた「斜降式救助袋」について説明するオリロー営業本部長の家崎典久さん=東京都文京区で

例えば1クラス30人が救助袋で脱出するのに、どれくらいの時間がかかるのか。記者の疑問に対し、家崎さんは「そもそも救助袋は、1クラス全員を逃すために使うようなものではない」と説明する。

家崎さんによると、避難方法の優先順位としては「まずは階段」。避難はしごや救助袋などは「逃げ遅れた人や救助に入った消防隊員が使う最終手段。使うのは少人数の想定です」。

記者も体験してみて、前の人が滑り降りて救助袋から出たのを確認してから次の人が滑るため、スピードは格段に劣ると感じた。

◆斜降式は下に人が必要、垂直式は降下に時間がかかる

救助袋には2種類あり、一つは火災のあった小学校に設置されていた滑り台タイプの「斜降(しゃこう)式」。もう一つは、袋を真っすぐに垂らし、その中をらせん状に滑り降りる「垂直式」だ。

㊧斜降式の救助袋を使った訓練を行う教員ら=8月31日、東京都江戸川区の区立鎌田小学校で(横田航洋撮影)、㊨降下体験のため、校舎4階の窓から降ろされた「垂直式救助袋」(荒川消防署提供)

斜降式は斜めに下ろすためスペースが必要で、下の金具に固定する人がいないと使えない。垂直式は省スペースで下に人がいなくても使うことができる。家崎さんは「以前は斜降式が多かったが、現在は新設の8~9割が垂直式」と話す。

小中学校の教職員に向け、火災時の避難のポイントを説明する荒川消防署予防課長の塩野目淑さん(中央)=東京都荒川区の第九峡田小学校で

ただ、垂直式は斜降式と比べると降下に時間がかかる。8月28日にあった荒川区の教職員向け研修では平均30~40秒かかっていた。ぐるぐる回りながら降下するため、記者は車酔いしたよう...

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