
着物の生地の再利用をテーマに東京都が主催するファッション競技会「SFDA」で、制作した髪飾りが「都知事賞・優秀賞」を受賞した。
金属のスズの板をらせん状に曲げてカチューシャにし、裁断した着物の生地をつまみ細工の手法で折り畳み、大小とりどりの花弁を表現してあしらった。
八王子市出身。和裁士である母方の祖母の影響で、和装の仕立てや着付けを学んできた。制作に用いたのは、祖母が着ていた約60年前の黒留め袖や小紋。反物の幅が現在より短く、仕立て直すことはかなわなかった。
「私には寸法が合わないけれど、こんなに上質で美しいものを、たんすにしまったままにするのはもったいない」。長年大切にしてきた祖母の思いを受け継いで、はさみを入れた。
スズの活用は、金属加工が盛んな富山県に暮らす父方の祖父母から、スズ製品を贈られたことがきっかけとなった。
金属の中でも特に柔らかく、人の手で自在に曲げられる。融点が低く、専用の設備がなくても鋳造できる。その特性から、スズは食器や調度品などさまざまな物作りに活用されている。
その「機能美に引かれ」、スズの板を仕入れて糸のこで切り出し、金づちでたたいて鍛金して髪飾りの土台とした。
物を生み出すこ...
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