〈ニュースあなた発〉
ごみ集積所でのカラス被害対策として、目玉のような幾何学模様を掲示する東京都荒川区の取り組みを紹介した東京新聞記事に対し、読者から「集積所のネットを黄色にすればいいと聞いた。実際はどうなの?」と疑問が寄せられた。「カラス博士」の異名を持つ専門家の答えは「黄色がカラス避(よ)けに有効との情報は間違い」。詳しく聞いた。(須藤恵里)
東京都荒川区のカラス対策ごみ集積所のカラス避け対策として今年8月、目玉のような幾何学模様をあしらった表示板を一部地域で導入。希望する自治会などに計930枚を配布した。表示板は職員の手作りで、1枚あたりのコストは数十円。カラスが慣れて効果が落ちることがないよう、別の模様もある。効果が確認できれば、区内全域で本格的に導入する方針。

ごみを荒らすカラス=千葉市内で(杉田名誉教授提供)
「間違った情報の発端は、私が20年前に開発に携わった『黄色い半透明のごみ袋』です」。「カラス博士」こと、宇都宮大名誉教授の杉田昭栄さんがそう明かす。
集積所のごみをカラスが散乱させる問題を解決するため、人間には半透明に見えるがカラスは中身を認識しづらいごみ袋を化学メーカーと共同開発した。このごみ袋が黄色だったことから、「黄色が効果的」説がひとり歩きしたという。
人間は赤、緑、青の三原色で物を見るが、カラスは紫外線も加えた四原色で、視覚が優れている。これを逆手に取り、紫外線を吸収する物質をごみ袋に充塡。吸収された光は認識できないため、カラスにとって色覚が欠けた状態を作り、中身を見えづらくした。

カラス避けネットは「しっかり覆うことが一番」という=宇都宮市内で(杉田名誉教授提供)
杉田さんはごみ袋の色について「紫外線を吸収する物質を充塡(じゅうてん)したら黄色になった。黄色自体に効果はない」と説明する。都内では杉並区などがこのタイプを「推奨品」として採用している。
「カラス避けに黄色が効果的」との誤った説は、カラス避けネットにも広がった。黄色いネットを採用する自治体は全国的に見られるように。静岡市は20年ほど前に、青から黄色に変更。兵庫県伊丹市もカラス避けにと黄色を採用したが、「景観によくない」と住民から声が寄せられ昨年度、緑色に変更した。
では、有効な対策は?...
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