東京都の財政の「豊かさ」を巡り、国と都の考え方の溝が埋まらない。国は東京と地方の税収格差が拡大しているとしており、与党は是正が必要と主張するが、都は「是正すべき偏在は存在しない」と反論する。年末に向け、議論が進む2027年度税制改正での対応に注目が集まる。(奥野斐)
「偏在是正を強力に進めるべきだと、意見は全部そちらだった」
9月末に開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会後、会長代理を務める増田寛也元総務相は、地域間の財政力格差について委員から是正措置に反対意見は出なかったと振り返った。

東京都と他の自治体の財政力格差も議論に上がった財政制度等審議会の分科会=9月30日、東京都千代田区の財務省で
国は、東京23区を含む都と道府県の財政力格差が、偏在是正の取り組みを始めた2008年度以前の水準まで拡大し、「都は標準のおおむね2倍のサービスが可能」な状況だと説明。昨年末の2026年度与党税制改正大綱で方向性が示された、法人事業税の一部を地方に配分する措置などを検討事項に挙げる。
格差の根拠に挙げるのが、財政にどれだけ余裕があるかを示す「財源超過額」だ。税収などの収入「基準財政収入額」から、福祉や教育、警察など標準的な行政サービスに必要な支出「基準財政需要額」を差し引いたもので、需要額が収入額を上回る場合は原則、国が地方の財源不足を普通交付税で補う。
総務省は、都の2026年度の収入額を6兆3626億円、需要額を4兆1731億円と見積もり、財源超過額は過去最高の2兆1895億円と算出。都道府県で交付税の「不交付団体」は東京都だけだった。
しかし、この結果に都は「都の財政需要を大幅に過少算定することで、意図的に作り出されている」と反論。都内への通勤・通学者数を十分考慮せず、昼間流入人口を200万人以上も少なく算定することで発生する清掃費などや、国会など重要施設の警備といった首都特有の需要額も過少になっていると主張する。

一方、総務省は取材に、...
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