多くの市民ランナーを魅了する「皇居ラン」のマナーを巡り、交流サイト(SNS)を中心に議論が沸騰している。東京都心の有名観光スポットでもある皇居外周のコース(約5キロ)は、ランナーの人気が根強い。一方で歩行者とのトラブルなどの苦情が地元の千代田区に寄せられ、今夏はSNS上で「禁止論」まで浮上した。(宮畑譲)
「皇居周辺のランニング──そろそろ禁止してもいい頃じゃないでしょうか?」。8月下旬、X(旧ツイッター)にそんな問題提起が投稿されると、皇居ランへの賛否が巻き起こった。

皇居周辺を走るランナーたち=9日、東京都千代田区で(中村千春撮影)
「危険な思いしますよね、なぜかランナー優先」「通り過ぎる際に『どけよ』とか『邪魔だ』などとつぶやく者もいる」。Xでは禁止論に、少なくない賛意が上がった。擁護派からは「そんな冷たいことを言わないで」「東京らしいランニングコースは維持したほうがいい」との声も出た。
皇居周辺の一部を管理する千代田区によると、「意見や要望」は10年ほど前から断続的に寄せられている。今年8月は5件あり、「後方から来たランナーに、歩行者が道を譲るよう威嚇されたり、接触されたりした」「逆走しているランナーとランナー同士がぶつかりそうになった」といった内容だったという。
ランニングイベントの増加でこれまでも、歩道でのトラブル増加は認識されていた。皇居ランに関しては2013年に国や都、千代田区や警察などの「皇居周辺地域委員会」が「ルール」を設けた。
ルールでは、土日祝日に20人以上の団体で走る競技会などでの条件を策定。反時計回りで走ることや、道が狭い区間では1列になることを徹底するよう呼びかけている。その上で「ルールをつくり、守ることで、皇居周辺の共存利用が図れる」とした。

区も独自に「歩道をふさがない」「ながら通行は控える」といった9項目のマナーを公開。マナー向上に向け今後、都や国に協力を呼びかける方針で、区の担当者は東京新聞の取材に「掲示板の設置など、関係機関・団体と連携し取り組んでいきたい」としている。
ランナーの心構えとしては、何が求められるのか。元マラソン選手でスポーツジャーナリストの増田明美さんは「皇居は走りやすく、人に見られている感じもして、ランナーには憧れの舞台。ただ、走ることは健康に良く、前向きな行為ということもあってか、ランナーに『いいことをしている』という甘えがあるのかもしれない」と話す。
「このままでは皇居を走らせてもらえなくなる可能性もある。道が狭くなっているところもあり、団体やタイムを追求する人は別の場所を探したほうがよい」と増田さん。「厳しいルールができてしまう前にマナーを徹底し、『厳格化は必要なかった』となるのが望ましい」と自覚を促した。
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皇居ランと地域の共生は、折り合いよくできるのか。皇居ランナーの一人である記者が、慣れたコースを改めて走りながら取材...
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