千葉県の豪雨は、都市部で排水機能が追い付かず地上に水があふれる「内水氾濫」で道路が冠水し、車両が水没するなど甚大な被害をもたらした。地下鉄など地下空間が発達し、歩行者も多い東京都心で内水氾濫が起きたら、どうなるのか──。深刻な事態に陥りかねない地下への浸水リスクと対策を探った。(佐藤航、神谷円香)
2年前の2024年8月21日、午後6~7時の1時間に約100ミリの猛烈なゲリラ豪雨が都心を襲った。1時間に約100ミリという雨量は、今回の千葉豪雨で千葉県柏市や我孫子市付近で降った「記録的短時間大雨」に匹敵する。

2024年8月のゲリラ豪雨で浸水した東京メトロ市ケ谷駅の改札前コンコース(東京メトロ提供)
都営地下鉄の国立競技場駅では、出入り口から雨水が流れ込んでコンコースが浸水。都交通局によると、浸水の恐れがある場合は出入り口に止水板を設置するが、「あまりに急激に降ったため、駅員が気付いた時には既に浸水していた」(担当者)という。
この日は、東京メトロ市ケ谷駅の構内も深さ約5センチまで浸水。同社によると、止水板を格納している設備の扉が水圧で開けられなかったという。いずれの駅も、想定外の豪雨に対策が後手に回っていた。
元都職員で江戸川区の危機管理監も務めたリバーフロント研究所の土屋信行審議役は「水がしみ込む田畑や空き地が少ない都市部では、降った雨のほとんどを排水する必要がある」と指摘。雨水管などの設備は、1時間に50ミリの雨までは被害を出さずに対応できる設計が全国的に多いというが、「近年はそれでは対応できなくなっている」。

地下鉄に地下街、地下駐車場など、足元に広大な空間を有する東京。東京消防庁によると、都内で地階を持つ建築物は7万20...
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