
ゲート前で座り込みを続ける島袋文子さん
絵本「辺野古の浜の文子さん」(高文研)が刊行された。モデルは「ふみこおばぁ」こと島袋文子さん(96)。沖縄県名護市辺野古で、米軍新基地建設に反対の声を上げ続ける。15歳のときに沖縄戦を経験し、生き抜いた女性の譲れない平和への思いを、姉妹のように交流してきた長野県の元教員が受け止めて書いた。(佐藤直子)

7月末に刊行された「辺野古の浜の文子さん」
大きな瞳が印象的な文子さんを基地反対運動の中で知らない人はいない。思ったことは率直に語る。「戦争につながる基地はダメだよ」と、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先とされた地元辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前での座り込みでは、警察官に「ごぼう抜き」され、土砂搬入のダンプカーの前に立ちはだかる。文字どおり体を張って抗議してきた。
文子さんの原点は本土防衛の「捨て石」にされた沖縄戦にある。故郷の糸満市も激戦地となり、累々と死体が横たわる戦場を目の見えない母と弟の手を引き、砲弾の雨の中を逃げた。のどが乾いて真夜中、夢中で飲んだ水たまり。翌朝見ると、血だらけの死体があった。親子で身を潜めていた壕(ごう)を米軍に火炎放射で焼かれ、全身に大やけどを負った。米軍占領下に置かれた戦後も苦労の連続だった。

岩下美智子さん
そうした経験から反戦を貫く文子さんと、絵本著者の元中学教諭岩下美智子さん(80)=長野県佐久市=が出会ったのは2011年。沖縄の基地問題をほとんど知らなかった岩下さ...
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