集合住宅に設置されている宅配ボックスが、特殊詐欺グループに悪用される事件が相次いでいる。警視庁は防犯カメラのないボックスが狙われているとして、カメラの設置や不審者を見た場合の110番などを管理者に呼びかけている。
同庁特別捜査課は10日、二つの詐欺グループの回収役や受け子を逮捕したと発表した。一つは日本人、もう一つは中国人のグループで、宅配ボックスを使う手口が共通していた。

日本人グループで逮捕されたのは住所不定・無職津田雅斗容疑者(41)。逮捕容疑は昨年8月中旬、仲間と共謀し、東京都内の女性(88)宅に息子を装って電話し、のどの手術などで金が必要となったので同僚が取りに行くとうそを言い、現金800万円をだまし取ったとされる。認否は明らかにしていない。
捜査関係者によると、当時19歳の少年が女性から現金を受け取り、練馬区内の国家公務員宿舎の宅配ボックスに入れた後、津田容疑者に秘匿性の高い通信アプリで連絡。同日、津田容疑者が現金を回収したとみられる。
事件前に津田容疑者は防犯カメラの有無を確認し、宅配ボックスに報酬5万円を入れ、少年に通信アプリでボックスの暗証番号を送信していた疑いがある。宅配ボックスは住人以外も使える状態だったという。
警視庁はこれまで、津田容疑者や少年らグループの5人を逮捕。グループが昨年1~9月、40人から1億1260万円をだまし取ったとみて調べている。

宅配ボックス悪用への対策を呼びかけようと警察庁が作成したチラシ
中国人グループで逮捕されたのは任百暁容疑者(37)ら30代の男女3人。逮捕容疑は今年5~6月、国民年金の還付金があるなどと言い、宮城県の女性(58)に現金を振り込ませたり、他人名義のキャッシュカードで引き出したりして、17万~29万円を窃取したとされる。
捜査関係者によると、任容疑者らも、キャッシュカードや現金を宅配ボックスを介してやりとりしていた。
警視庁はグループが約30人から2600万円をだまし取ったとみている。(戎野文菜)
