子どもを育てられない親に代わり、祖父母などの親族に養育を委託する「親族里親」制度は、子どもにメリットも大きいとされる。しかし東京都内で親族里親に託されている子どもは24人(2024年度末)にとどまる。親族として養育した経験者などからは、制度が適用されるケースを掘り起こすことを含め、より積極的な活用を求める声が出ている。(小林由比)
親族里親児童福祉法に基づき、保護者の元で暮らせない子どもを家庭で引き取る里親制度の一つ。2011年の東日本大震災で大勢が遺児となり広く知られるようになった。同年、扶養義務のないおじ・おばなどは、より手厚い支援が受けられる養育里親と同じ扱いとなった。社会的養護について国は2016年の法改正で、施設より家庭での養育の優先を明確化。2029年度までに家庭養育の割合を乳幼児は75%以上、小学生以降は50%以上を目標とする。都内の里親等委託率は17.8%(2024年度末)で、都は2029年度までに37.4%を目指す。
里親制度には親族里親に加え、被虐待児などを受け入れる「専門里親」、養子縁組を前提とした「養子縁組里親」、それ以外の一般的な「養育里親」の計4種類がある。都によると、都内で里親(複数の子を養育するファミリーホームを含む)に委託された児童数は2024年度末で661人で、親族里親は全体の3.6%となっている。

親族里親には、養育里親などにある手当は出ないが、一般生活費は支給される。一般生活費の額は自治体によって異なるが、都では子ども1人当たり月額6万4720円支給され、学校教育費や塾代などの支援もある。他の里親同様、児童相談所などの機関の支援対象にもなる。
20年ほど前、妻のきょうだいの子ども2人を育てることになった足立区の町田彰秀さん(63)は当時、親族里親の制度は知らず、引き取ったのは身内での相談の結果だった。「親族なんだから、そういうものと思って引き取ったが、育てるのは難しいことも多かった」と振り返る。

自身の経験を踏まえ、中途養育者と子どものための居場所をつくった町田彰秀さん=東京都足立区で
2人は小学生。就学前だった実子と3人の子育てに妻と奮闘した。暮らし始めると、引き取った2人に発達の遅れなどを感じた。公的支援が受けられないかと、児相に相談したが、当時は児相を介さずに養育を始めている場合は該当しないとして、制度の適用は検討されなかった。
里親支援の民間団...
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