ソットサスのデザインは以前から好きで、でも好きだったのはそのSF的なシェイプや先進的なデザインで、私はソットサスを完全にそのような未来志向のデザイナー/アーティストとして捉えていた。もちろん、その捉え方がすべてまちがっていたわけではないのだけれども、今回の展示をみて私は、ソットサスの着想源が、もっとはるかに根源的で、ほとんど人類学的な次元で未来を先取りしていたことに気づかされた。

連作「トーテム」などの展示風景©Yuya Furukawa
とりわけ1960年代に展開された、一見しては同時代のポップアートやミニマルアートを思わせるけれども、それでいて自在な、たとえば「トーテム」のような連作は、単にコンセプチュアルなものではなく、文字通りタイトルに示されているとおり、ポップやミニマルというよりも、きわめてプリミティヴな造形でもあったのだ。
プリミティヴというと、あの大胆な色彩の冒険はどうなのだ、と問われるかもしれない。だが、プリミティヴなものは考古学的な次元を備えているから、どうしても古色を連想してしまうかもしれないけれども、もともと現世を超えた次元への志向から、この世の次元を超えた色彩と接続されている。ソットサスの色彩も、実はそのような観点で捉えたほうがわかりやすい。本展のサブタイトルに、ソットサス自身の言葉に由来する「魔法」の文言が使われているのも理解できる。
ソットサスの名声は、80年代にイタリアに発し、世界的な衝撃と反響を呼び起こしたデザイナー集団、「メンフィス」での仕事で頂点を迎える。一般に代表作と呼ばれるものも、この時期に多い。だが、以上のことをふまえるなら、ソットサスの仕事を、この時...
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