東京・日本橋エリアの再開発事業が当初計画から大幅に遅れ、連動する首都高速道路の地下化工事に影を落としている。首都高は「これ以上遅れると地下化(の進捗)にも影響が出てくる」と危惧しており、再開発の事業者に工程の見直しを打診しているという。都心のインフラ整備への「遅延ドミノ」を避けることはできるのか。(中沢誠、森本智之)

東京・日本橋の再開発
工事費が高騰すると「プレミアム住戸」が増える…コスト回収のための「高級路線」

首都高速道路が覆いかぶさる日本橋=7月、東京都中央区で(川上智世撮影)
首都高の地下化工事は、景観を改善するため、日本橋上空を覆う高架を撤去し、トンネルを掘って地下にルートを移す。
周辺の日本橋エリアでは、この地下化と連携して5地区で再開発事業が進む。このうち4地区で、工事費高騰の影響から工期に遅れが生じている。
中でも首都高が地下化工事への影響を懸念しているのが、日本橋室町一丁目地区だ。計画では、地上34階建ての高層ビルを建てるA街区と、低層の商業施設となる日本橋川沿いの街区に分かれ、川沿い街区の地下を首都高のトンネルが走ることになっている。
室町地区では昨年5月、工期を変更し、2030年5月だった完成時期を3年10カ月延期した。地権者の一人は「施工業者を募集したところ、金額が折り合わず入札不調になった」と明かす。

さらに昨年変更したばかりの工期にも、すでに遅れが生じている。今年8月末着工予定のA街区は、いまだ解体工事中。2027年12月末までに解体完了を見込んでいるが、いつ着工できるかは不透明だ。施工業者も決まっていない。
室町地区では、A街区の高層ビルが完成した後、川沿い街区の工事に移行する。地下化のルート上にある川沿い街区は、トンネル工事を始める2033年度までに既存建物を解体し、掘削の障害となる地中の基礎杭(くい)を抜くなどの「前さばき」工事を終えておく必要がある。
ところが、昨年の工期変更時点で、川沿い街区の着工は2032年度末にずれ込む見通しとなっている。今後さらにA街区の着工が遅れることになれば、...
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