〈ウォッチ・バスケBリーグ〉「負けてはいけない」宿命①=全2回
「タイトルを取る義務がある」
Bリーグプレミア(Bプレミア)アルバルク東京(A東京)の選手は、自身を奮い立たせるように口にする。他クラブの選手は「重圧を背負う彼らに勝てるとうれしい」と特別視する。そして、A東京は「負けてはいけない」ことが宿命づけられる。
勝負にこだわるプロなら当然のことかもしれないが、レジェンドの元選手と、昨季大きく成長した守備職人の二人は何を思うのか。連載第1回は、チーム唯一の永久欠番「7」を背負い、リーグ2連覇などに貢献したクラブ運営会社取締役の正中岳城さん(41)の思いを聞いた。
正中岳城(しょうなか・たけき) 1984年、兵庫県出身。青山学院大学卒業後の2007年、トヨタ自動車アルバルク(現A東京)入団。トヨタから出向の「社員選手」として2020年まで13季プレー。引退後はトヨタに戻り渉外広報本部で勤務。その後、A東京運営会社に出向し、現在は取締役。
A東京は1948年にトヨタ男子バスケットボール部として創設。実業団時代に全国タイトル17回、Bリーグ開幕後もリーグ唯一の2連覇などに輝いた。正中さんは「入団前から『負けてはならない』という哲学は感じていた。相手にとっても常に『勝ちたい対象』として挙げてもらえていたと思う」と振り返る。

A東京が「負けられない」理由について話す正中岳城さん=7月31日、トヨタアリーナ東京で(渡辺陽太郎撮影)
1年目の練習場では心が躍った。能力の高い選手、監督はドイツ人のトーステン・ロイブルさん(54)=現レバンガ北海道監督=と豪華な布陣だった。トヨタの熱意により、最高の練習環境も用意されていた。
昨季A東京で引退した菊地祥平さん(41)=現川崎ブレイブサンダースコーチ=も「自分たちのために、ケタ違いのお金と膨大な時間を使ってくれている。恩返しをしないといけない」と感謝していた。「娯楽があふれる東京でバスケットを選び、自分たちのためにお金と時間を使ってくれるファンにも応えたい」と、負けられない思いを話した。
菊地さんの考えに正中さんも同意する。「負けは許されないというより『自分たちが勝ちを求めている。...
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